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「歴史文化基本構想」、全国へ「発進」!

 今後の日本の文化財行政の転換点的な構想である「歴史文化基本構想」の研修会が、平成24年2月23・24の両日、東京都千代田区にある学術総合センターにて、はじめて開催されました。

 太宰府市民遺産を太宰府市において制度的に支える『太宰府市歴史文化基本構想』もその中の一つで、ついに全国にその姿を現しました。
 当日は、北は北海道から南は鹿児島県まで、155名の自治体職員が参集し研修を受けました。その中で太宰府市の取り組みも紹介され、市民力を活かした文化遺産調査ならびに太宰府市民遺産の取り組みが評価されています。

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 これまでの文化財保護は、「結果」「成果」としての史料、史跡、民俗資料、記念物であったのに対し、「歴史文化基本構想」は、「結果」「成果」として結実するまでの「過程」「工程」「根拠」「景観・環境」「物語」「人」全てを総合的に把握し、それらをどう未来につないでいくのかを説く、地域の文化財保護の根幹をなすマスタープランです。これら様々な要素を、市民(国民)-行政-事業者が一体となって、未来につないでいく方策を皆で考え、各々役割分担をして未来につなぐ。ですから、行政の中でも文化財部門だけが担うのではなく、祭の場の風情を問題にするのであれば景観系・都市計画系の部署が担うことも想定されます。これは単に文化財を担う部署だけの問題ではなく、地域の個性をどう未来に継承すること、すなわち地域の個性はそこに行かないと味わい・感じることができないということを考えると、観光振興にも関わってきます。

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■御講演される西村幸夫先生【東京大学 副学長】

 もう文化財は、文化財部門だけのものではなく、自治体の個性として捉え、まちづくりの素材として活かしていく時代が到来したということを宣言する研修会でした。これは、西村幸夫先生(東京大学 副学長)のご講演でも熱く語られ、「地域の個性を活かさない手はないでしょう!」というご発言にも表れています。

 太宰府市民遺産は、市民の宝(文化遺産)を市民皆で支え合い、自立しながら未来の市民に伝えて行く取り組みです。景観・市民遺産会議は、そのための入口であり、支え合う柱です。